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「とげ 小市民 倉永晴之の逆襲」2016 [テレビドラマ平成]

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〔2016年/日本/ユニオン映画〕




小市民の一人として、妻と小3の息子と共に
穏やかに暮らしてきた中年公務員の倉永晴之。

過度な贅沢はせず、もちろん犯罪にも手を染めず。
風で倒れた自転車を起こすことはなくても、
シルバーシートに座ることを我慢する程度の
良識は持っている。

市民生活部市民相談室の係長に異動してからの
3年間は、市民からひっきりなしに寄せられる苦情や
要望に追われ、胃痛と戦う日々だ。

唯一の楽しみは、飼っている熱帯魚に
愚痴りながら飲む発泡酒だけ。

晴之がいる市民相談室は、言われなき苦情が
日々寄せられる、モンスター市民と市役所の間で
板挟みの部署なのだ。

ある日、怒鳴る男の電話をとる晴之。
「運動公園の金網が破れていたせいで
子どもが怪我をしたから治療費を払え!」
またもや晴之は様々なトラブルに巻き込まれていく…。




山本甲士先生による小説をもとに、東海テレビが
「オトナの土ドラ」枠で連続テレビドラマ化した
「とげ 小市民 倉永晴之の逆襲」。

ひらたく言えば、
市民課の職員でおとなしくしておけば、一生安泰の
立場である男が妙な正義感に目覚めて、ついには
市議会議員にまで立候補しちゃうお話。

一番被害を被ったのは、やはり「家族」だわな。
本人は「正義感」にかられて、
あぁ、オレいいことしてるわぁ~というカタルシスが
あり、自分に酔ってるのかも知れんけど。

旦那の一挙一動のために、自宅に放火されたりともう散々。

で、主人公が耐えに耐えてるのはわかるが、
キチンと話しあうということをせずに、とどめは、
「オレは市民相談室の倉永晴之だぁぁ~!!」と、
タンカを切る。

市長とのトラブルの際もキチンと話し合えば、
逆に慰謝料でももらえたものを、周りの口車に
まんまと乗せられて、市長を週刊誌に告発。

あげく、その煽ってきたヤツらに裏切られてガクゼン…。

そしてやはり、家族に大迷惑。

ラストはどうにかこうにかハッピーエンドに流れるが、
実際にはこうはいかない。

せっかく掴んだ公務員の職。
なにか事件に巻き込まれようと、
オトナなら「受け流す」というのも大事だよ、と
教えてくれる一作。

キャスト的に木の実ナナさんはインパクトがあるが、
なんとも勿体ない使い方…。




評価 ★★☆☆☆

nice!(6) 

「冒険ロックバット」1975 [テレビ特撮昭和]

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〔1975年/日本/ピー・プロダクション〕



ここは動物たちが平和に暮らす「どうぶつ国」の
「どうぶつ村」。今日も黒雲の姿をした悪の帝王、
ワルジャンとその手下、ドラダヌギーが悪事を働いている。

科学者のズク博士は、この国の平和を守るため、
2体のロボット、ロックバットと、その弟ブレイザーを製造。
おっちょこちょいのロックバットは、失敗を繰り返しながらも、
正義のためにブレイザーとともに活躍する。




1975年(昭和50年)より放送開始された「冒険ロックバット」。
月曜から土曜日までの週6日間、夕方5分間放送されたミニ番組。

製作は、漫画家・うしおそうじ先生率いるピー・プロダクション。
かつて「マグマ大使」や「スペクトルマン」で隆盛を誇った
ピープロもロボットアニメブームに押され、特撮作品が下火となり、
実質的にこれが同社が製作した最後の連続テレビシリーズとなった。

同社の売りであり、社長自ら自虐ギャグとして愛用していた
「低予算」を逆手に取り、アニメ合成、バンクフィルム
(撮影済みフィルムの再使用)の多用、廃園となった遊園地で
撮影を行うなど、お金がない!を感じさせない作りとなっている。

一見子供向けに見せかけた物語も、デートに梅干し持参で、
2人でそれをしゃぶっている…など、
シュールな部分が随所に見られ、
こちらはあっけに取られたまま5分間が過ぎてゆくのだ。

本作は全156本と言われ、近年ブルーレイ商品の特典として、
現存する話数が映像ソフト化されている。
欠落した話数のサブタイトル部分「のみ」というような、
断片も収録されているのだが、なぜこのような細切れの
フィルムが残されているのだろうか…。

と、思い当たるフシが…。
後年、本作を再放送する際、15分枠に収めて
番組販売するため、本編を繋ぎ合わせる処理が
行われていた。1990年代の再放送はこれが主となっており、
この時にどうも原版をチョン切ってしまった可能性が高い。

うしおそうじ先生は1980年代後半、東京でビデオショップを
経営するなど一般ファンとの交流も積極的に行っておられた。

現在のように作品が二次利用、三次利用されるとは
考えられなかった時代、一度放送・製作に使用した素材は
不用品として、気軽にあげたり、捨てたりしていた場合が
多かった。

遊びに出向いて、帰り際に6mmの音楽テープをもらった!、
ってな話も耳にした(笑)。(だから今、CDが出せない)。

ロックバットの欠落話数はその繋ぎ合わせたフィルムを
発見できれば復元できる…かも知れない。
が、使い古した16mmフィルムなんて、
もう残っていないだろうなぁ。




評価 ★★★☆☆


nice!(11) 

「必殺からくり人・血風編」1976 [テレビドラマ昭和]

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〔1976年/日本/松竹〕



さよならだけが 人生か

薩長の官軍が倒幕のために攻め入ろうとしている、
幕末の時代。品川で旅籠を営む、白浜屋おりく。
だがこれは表向きの顔。

その裏の顔は弱者たちの晴らせぬ恨みを晴らす、
からくり人であった。直次郎、新之介、おいねたちと、
これに加わるのが行き倒れで死にかけていたところを
おりくに救われた正体不明の男…。
彼は自らを土左ヱ門と名乗る。

だが、土左ヱ門の正体は薩摩藩の密偵であり、
隠れ蓑とするため、からくり人に加わったのだった…。



あした、天気に なぁれ




1976年(昭和51年)放映開始、必殺シリーズ第9弾、
からくり人シリーズとしては第2作となる
「必殺からくり人 血風編」。

シリーズとは言いつつも、前作とはまったく別の
世界観であり、共通点は皆無。

本来であれば、この枠には「新・必殺仕置人」が
放映される予定であり、そのために同じ役は2度やらない、
という山崎努さんを口説き落とし準備に入っていたのだが、
菅井きんさんの娘さんの縁談に「殺し屋のドラマ」に
母親が出演しているのは差しさわりがあると出演を辞退。

(昭和の人々はドラマの役柄=俳優と同一視する純粋な
部分が多々あり、悪役はとことんまでに憎まれたのだった)。

藤田まことさんは、まことさんで、
ワシの出演者クレジットの位置が前々から気にいらんねんと、
ゴネはじめ製作が遅れに遅れた。
そのため急遽、企画されたのが「血風編」だったのだ。
本当の穴埋めだったため、全11話という短いものとなった。

今では契約条件などでガッチガチに固められて、
俳優さんのワガママなんぞは「契約違反」のひと言で
聞き入れられないが、昔は撮影途中に失踪したり、
海外に逃げたり好き放題。
ある回から突然出演者が変わったり…など、
普通によくある事だった。それが、昭和時代。





評価 ★★★☆☆
nice!(11) 

「必殺からくり人」1976 [テレビドラマ昭和]

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〔1976年/日本/松竹〕




芸者置屋の花乃屋一家は、世間には知られていない
裏の顔があった。彼らは八丈島を島抜けした罪人であり、
弱い者の晴らせぬ恨みを晴らす、からくり人であったのだ。

花乃屋の女主人、仇吉、船頭の藤兵ヱ。仇吉の娘のとんぼ、
藤兵ヱの息子のへろ松。花火職人の天平、枕売りの時次郎。
彼らを率いる元締は表では骨董商を営む、蘭兵衛。

だが、別に存在するからくり人組織の元締、曇りの
手にかかり、元締の蘭兵衛が殺される。
曇りは裏で幕府と結び付いており、格安で弱い者の依頼を
請け負う蘭兵衛たちを快く思っていなかったのだ。

仇吉は蘭兵衛の遺志を引き継ぎ、元締となり、
弱者の恨みを晴らす、からくり人として暗躍する…。



必殺シリーズ第8作であり、初の1クール放映となった
「必殺からくり人」。
シリーズとシリーズを繋ぐ全13話と短い放映期間の本作。

今でこそ、ほとんどのテレビドラマが1クールで、
次の番組に交代してしまい、人気があれば第2シリーズ、
第3シリーズと回を重ねていくが、この時代は通常半年。
好評であれば延長しましょう…そんな製作体制だった。

そんな状況なので、半年で最終回を迎えれば、
視聴率15~20%を取っていても、
「あの番組は不人気で…」と言われたものだった。
今、大河ドラマですら1ケタの視聴率である事を
考えれば信じられない塩待遇である。

さて、本作は先日NHKで放映された映画「ひろしま」でも、
存在感を見せつけた山田五十鈴さん。
コメディーの印象が強い、関西喜劇の芦屋雁之助さん、
青春の巨匠、森田健作さん、女は海のジュディ・オングさん、
安定のミスター必殺・緒形拳さんと現在の視点で見ても、
異色の面々が揃えられた。

さらにここへ、間寛平さんが加わるのである。

それまでの必殺が個人事業主が仕事の時にのみ集まり、
殺しを行う…というドライな関係だったのに対し、
女元締の元に集う仲間たち、ファミリーという印象が強い。

わずか13話の短いシリーズながら、強烈な印象を残すのは、
緒形拳さん演じる夢売り男、時次郎の最期を描いた、
最終回の一歩手前、第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」。

塔の上から幕府の要人、鳥居耀蔵の暗殺を謀り、
事前に準備万端、銃を構えて狙っていた。

射程距離に入った!。

構える時次郎、引き金を引く!。

しかしその時、一羽の鳩が時次郎と鳥居耀蔵の間を
割って入った。飛び散る鳩。

暗殺はただ一羽の鳩のために失敗に終わった。

たちまち塔は役人に取り囲まれる。もう逃げ場はない。

身元が割れると仲間たちに危害が及ぶ。
覚悟した時次郎は全身に火薬を塗りはじめる。
花いちもんめを口ずさみながら、特に顔には念入りに…。

「負けてくやしい花いちもんめ」…。
歌い終えたその瞬間、巻き起こる大爆発。

次回、からくり人たちが最後のけじめをつける…と、
いうところで本話はおしまい。

以降、からくり人は出演者を交代しつつ
非主水作品としてシリーズ化してゆく。




評価 ★★★☆☆
nice!(10) 

「凪のお暇」第5話 号泣する男が救いたかったもの 2019 [テレビドラマ令和]

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〔2019年/日本/TBS〕




ゴンに恋をし “闇堕ち” してしまった凪。

心配した慎二は雨が降る中、凪に会いに行く。
しかし、素直な気持ちを伝えられない慎二は、
またしても凪を過呼吸に追い込みそうになってしまう。

凪はたまたま通りかかった、みすずとうららの親子に
助けられ、そのまま2人の家に行く。
久々にうららの顔を見て、みずずの手料理を食べて、
凪は自分がいつからうららと遊んでいないか、
いつから自炊をしていないかと考える…。




なんやかんや言いつつも、金曜夜のお楽しみに
なっている「凪のお暇」。

今週もなかなかにおもしろかった。
けど、凪はめぐまれ過ぎている。
周りがいい人ばっかりである。

一方的に別れを切り出して、切り捨てた慎二ですら、
凪を見捨てられず雨中で風邪をひくほどの思いを
してまで、凪を正気に戻そうと叫ぶ。

子供に突き飛ばされて頭を強打。踏んだり蹴ったりである。

同じアパートの住人たちも皆、いいひと。
怪我をして偶然飛び込んだスナックの男性ママですら、
口も態度も悪いのだが、凪を気にかけてくれている。

そのスナックが慎二の行きつけ…というのが、
出来過ぎでそこが「ドラマ」ではあるのだが。

実際の暮らしで一旦、社会からフェイドアウトしてしまうと、
なかなか凪のようにはいかない。復帰するのはムズカシイ。

それが今「引きこもり」として社会問題と化しているのだが。
とりあえず来週も見ようっと。




評価 ★★★☆☆



nice!(13) 

「必殺仕事人」1979 [テレビドラマ昭和]

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〔1979年/日本/松竹〕




江戸に晴らせぬ恨みを金を貰って晴らす、
闇の稼業が存在していた。

その内の一人が大物悪徳商人を仕置したことで、
奉行所の厳しい取締まりが行われ、江戸中の殺し屋たちは
姿を消した。数々の仕置をこなして来た中村主水も、
今ではすっかり南町奉行所の昼行燈として、
人員整理に合い、八王子の甲府勤番所に左遷されていた。

主水はある日勘定奉行の稲葉から、南町への異動を命じられる。
全てを裏で仕組んでいたのは、裏稼業の大元締 鹿蔵であった。
鹿蔵は江戸に闇の裏稼業を復活させるため、
主水を必要としていたのだ。

だが、裏稼業への復帰を断った主水は次々に命を狙われるハメに。
鹿蔵と再び向かい合う主水。
鹿蔵は、もう一度仕事を主水に依頼する。
主水は鹿蔵の説得と大量の小判を前に心動かされ、
新たな仲間たちと裏稼業への復帰を決意する・・・。




1979年(昭和54年)、好き放題にやりすぎて、
視聴率が低迷。「もう、必殺も終わりか…」という
番組は存続危機の局面を迎えていた。

最後にもう一作、藤田まことさん主演作を作り、
花道を飾りましょうや、ということで
製作されたシリーズ第15弾「必殺仕事人」。

番組開始当初は主水と元・浪人の左門と2人も刀を使う、
殺し屋が混在し、さすがにこれはマズイんじゃね?と、
中盤よりいきなりのイメージチェンジ!。

左門は刀を売り払い、頭を丸めておでん屋をはじめてしまう。
刀がなくなったので殺し技も急遽変更。
体を鍛えて、素手で戦う腕力パワー系殺し屋に生まれ変わる。
そして披露するのが「人体二つ折り!!」。
完全に別人…。

さらに飾り職人の秀・三田村邦彦さんがアイドル的扱いを受け、
女性ファンの人気が爆発。

半ばあきらめ半分で放送開始された本作だったが、
結果的にシリーズ最長の全84話に渡るロングラン放映を果たす。

この後、延々と製作され「必殺」と言えば「仕事人」と、
世間的にも代名詞となった記念すべき作品が誕生したのであった。





評価 ★★★☆☆


nice!(11) 

「ピュア!一日アイドル署長の事件簿」2019 [テレビドラマ令和]

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〔2019年/日本/東宝映画〕




売れないアイドルの黒薔薇純子は清純派を装っているが、
裏ではライバルの蹴落としを画策するような腹黒い女の子。

マネージャーの阿部が何とか取ってきた一日警察署長の仕事で、
純子がパレードのまっ最中に「正義の断罪人」を名乗る
連続殺人犯による事件が起きてしまう。

イベントが中止になり納得のいかない純子は、
得意の腹黒い計略で刑事の東堂をだまして
一緒に事件捜査に乗り出したのだが…。




まったく期待せずに見た。
特撮系のキャスト目当てでボケ~ッと見ていたのだが、
これがなかなかの「当たり!」。

浜辺美波さんって、こんなにカワイかったか?と再認識。
年上の刑事に向かって呼び捨てにする腹黒アイドルを好演。
ほかの出演者が浜辺美波さんの存在感に食われまくり。

これ、3夜連続でイッキに放送してしまったのが勿体ない。
現時点で再放送、続編放送の予定もないという。

関西では台風の影響で3夜中、2夜までが気象情報の入った
L字画面での放送となってしまった。
望・再放送。有料で見逃し配信するしかないのだろうか。

このような掘り出し物に出会うと、受信料を払うのが
惜しくなくなる不思議。普段、お抱え芸人の民放と変わらん
バラエティーを見せられるとぶっ壊したくもなるが。

あぁ、願わくば連続ドラマ化。
その前に再放送を。録画保存したいから。





評価 ★★★☆☆

nice!(12) 

「新・必殺仕置人」1977 [テレビドラマ昭和]

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〔1977年/日本/松竹〕





暦の寅の日になると「寅の会」なる句会が開かれていた。
これは表向きは句会を装いながら、その実、金で殺しを
請け負う殺し屋たちの会合であった。

俳句の中に標的となる人間の名が詠まれており、
集った仕置人たちが殺しの依頼を次々と競り落としていく。

その中にあの、念仏の鉄がいた。
鉄は巳代松、正八、おていの4人で仕置人として、
「寅の会」から仕事を競り落とし闇稼業を行っていた。

ある日の句会で、かつての仕置き仲間、
「中村主水」の名が詠み上げられ、驚く鉄。

主水は仕事から足を洗い、同心として平穏な日々を送っていた。
鉄は主水に密かに命が狙われていることを知らせる。

鉄たちの助けを得て、窮地を脱した主水は再び、
裏稼業への道を歩みはじめる…。




シリーズ第2弾にして「傑作」の誉れ高い、
「必殺仕置人」の続編、1977年(昭和52年)放映開始、
「新・必殺仕置人」。

人気のあった、山崎努さん演じる念仏の鉄。
幾度となく復活の兆しがあったものの、
ご本人が同じ役柄を演じるのはヤダという事で、
企画が立ち消えになっていたという。

満を持しての再登場。
そして仕置人シリーズの完結編となるのが本作。

新たに登場する殺し屋は中村嘉葎雄さん。
武器は拳銃。え~~~?!時代劇に拳銃?!と、
いうことで、一応、火縄式の銃、それも手作り。
「竹」で出来ているため一発しか撃てない。
つまり、失敗する事が出来ない。

しかもあんまり弾が飛ばないため、
毎回、仕留める相手との距離・間合いを
計りながらの殺しを披露。

そして、これらを束ねる元締めを演じるのが、
どこでどうキャスティングされたのか、
元・阪神タイガースの藤村富美男さん。
殺し技はバットのスイングでアタマをガツン!。
正直、演技が棒読みなのである…が、
長らく見ているうちにそれも「味」となってくる不思議。

物語を締めくくる最終回は壮絶のひと言。

寅の会の裏切り、内部崩壊、そして鉄の死。
拷問により、カツオは廃人。
鉄もまた利き腕を窯で焼かれてしまう。

どうにか最後の仕置きを果たした鉄は夜の町へフラリと。
実に鉄「らしい」死に様で最期を遂げる。

そして、主水はまた、ひとりぼっちとなった…。

当時の流行を取り入れることに積極的だったシリーズ。
時代劇なのに、Kissのメイクで走り回ったり、
度を過ぎた演出も見られるが、それでもシリーズベストと、
ファンが認める一作である。




評価 ★★★★☆
nice!(10) 

「翔べ!必殺うらごろし」1978 [テレビドラマ昭和]

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〔1978年/日本/松竹〕




太陽を神として信仰する不思議な行者、先生と呼ばれる男。

先生は祠の前で、木綿針の行商女“おばさん”に出会うが、
その祠の中では、仏像が目から血の涙を流し続けていた。

恐れた村人達は、最近村に住みついた足抜け女郎のお鶴と
悪人の千吉のたたりだと思い込み、二人を追い出そうとする。
そこに男装の流れ者“若”、香具師のチンピラ・正十、
流れ巫女のおねむが現われて、先生らと共に、
仏像の一件の因果を探る…。




1978年(昭和53年)、日本には世紀末だ、終末だ、
オイルショックだと、暗雲たる空気が漂っていた…。
時代にビンカンな製作陣が必殺シリーズ第14弾に
選んだテーマは怪奇!オカルト!恐怖!、
「翔べ!必殺うらごろし」です。

各回のサブタイトルからしてスゴイ。

「馬が喋べった! あんた信じるか」とか、
「夜空を飛ぶ女が見た悪の罠」とか、
「生きてる娘が死んだ自分を見た!」とか。

「家具が暴れる恐怖の一夜」など、
もう完全にエクソシスト!!。

出演陣もスゴイ。
かつては木枯し紋次郎として必殺と視聴率で戦った、
中村敦夫さんが太陽を拝みながら踊りまくる
殺し屋の「先生」。殺しを教えるのではない、名前が「先生」。

男装の殺し屋を和田アキ子さん。
殺しには武器を使わない。怪力で殴る!撲殺!!。
主題歌も歌唱!時代劇なのに、歌詞が「べいべ~♪」。
このミスマッチな斬新さが必殺。

とどめは、市原悦子さん演じる殺し屋「おばさん」。
「おばさん」。「おばさん」。「おばさん」。
過去の記憶を失っており、自分の名前がわからないので、
仕方ないが、それでも「おばさん」。

殺し技は相手を油断させておいて背後から忍び寄り、
出刃包丁でブスリ!ただの通り魔である。

あまりにも斬新すぎた改革はシリーズ最低視聴率を叩き出し、
「もう必殺もダメだな…」と思わせてしまうほど。
「いだてん」並みに数字で酷評された本作ではあるが、
時が流れ、熟成された今見直すと、これがなかなかにいい。
というか傑作の部類に入るかも知れない。

一時期は再放送もされず「幻」の作品であったが、
現在、再見はたやすい。いい時代になったものだ。




評価 ★★★☆☆

nice!(10) 

「必殺仕業人」1976 [テレビドラマ昭和]

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〔1976年/日本/松竹〕



・・・どうって事ねぇか・・・。
 アンタ、それでも生きてんの?。



石が流れて木の葉が沈んだ、1976年(昭和51年)、
松竹、朝日放送により制作、放映された
必殺シリーズ第7弾「必殺仕業人」です。

市松(沖雅也さん)が江戸を去ってから1年後。
市松を逃がした失態で町奉行所同心格最低の牢屋見廻りへ
降格された中村主水。

主水は小伝馬町牢屋敷で働いていた…。
新たに組んだ鍼灸師の、やいとや又右衛門、
旅芸人の男、赤井剣之介、その女、お歌とともに
殺し屋稼業は今日も続いていく・・・。
一度、血に染まったこの両の手は、足抜けを許さないのか…。


「必殺仕置屋稼業」から続く世界観で物語ははじまり、
中村主水は日々、悶々とした生活を送っております。

オイルショック、公害問題など暗い世相を反映してか
作品全体を支配する、この重苦しい空気…閉塞感…、
後の「家族で見られる楽しい必殺」からは
考えられない作風の一作です。




評価 ★★★☆☆

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